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2006年2月

人がやらない事を…!

【私のメッセージ・ポスター】
春日 沙羅

2月も早いものでもうすぐ終わります。3月は入試などで授業もぐっと少なくなるため、現在制作中の作品もそろそろ仕上げて提出となります。
彼女は授業中、黙々と制作をする子で本当に一生懸命に打ち込んで筆を進めています。その甲斐あって素晴らしい作品を毎回生み出しています。今回のポスターも圧倒的な表現力でイラストレーションを仕上げました。コピーも秀逸で心から良い作品だなと感じています。周囲の生徒も彼女の作品には一目置いていますが何よりも感心するのは、「他の人と同じ事をしない」、「人がやらない事をしたい」という意志です。そのような姿勢には僕自身が教えられる思いです。
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発想の転換

【イラストレーション】 中村 瑞菜
1年生の授業で最後に制作しているのがこのイラストレーションです。雑誌などのグラビアページを白黒コピーし、明度分解を行ったものに色彩計画に従って着色するもの。比較的容易に対象を再現できるこの制作は、これまで自分のデッサン力や彩色の仕方に自信が持てなかった生徒がそのまんざらでもない出来映えに満足できるので毎年評判が良い教材です。
さて、ここで紹介する作品は一風変わっています。画像左が実際の作品で右側はそれをデジカメで撮影した後、ネガのように明度が反転するように処理したものです。つまり彼女は、作品化しようとした写真の明度を反転させてみようと試みたのです。結果はご覧の通り…見事なものです。こんなことをしてみようと自ら発想して実行に移せることがものすごくステキなことではありませんか。そういえば過去に安井賞を受賞した福田美蘭がこのような作品を描いていたことを思い出しました。
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第1回東彩展を終えて

本校美術部が創部以来初めての校外展”東彩展”が終了しました。開催日数が2日間と他校と比べても短いながら100名を超える入場がありました。たくさんの方々から生徒作品に対する賞賛の言葉も頂きました。部員たちは初めての経験で、実際にこのような展覧会を行うまでは実感できなかったことも校外の様々な対応を通じて成長を遂げることが出来たのではないでしょうか。
昨年の春にこの校外展を持ちかけた時から、「作品点数が予定どおりに揃わないのではないか」、「芸術館での開催に相応しい質の作品を描く事が出来るだろうか?」と常に不安が付きまといましたが生徒たちは本当に良く頑張ってくれました。むしろ僕の予想以上に見応えのある作品展になったことが本当にうれしく思っています。取材に来られた新聞記者の方から来年の開催も期待していると言われました。これまでは毎年の開催は考えてはいませんでしたが東彩展が部活動の励みになることが良く分かり、第2回東彩展開催への弾みもついたように思います。本校美術部の新しい歩みが始まったのだと実感しています。
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透明水彩

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【足元】 水口 花子
前回に続き昨年の高文連釧根支部美術展からの紹介です。1年生の時から透明水彩を使って描いている生徒です。人物と猫の画面構成が巧みで人物に見る側の視線が向かい気味になりそうなところを上手く収めています。透明水彩は淡い発色や独特のニュアンスで魅力のある描画材料ですが逆に扱いに熟練が必要でその透明感を生かせない場合も見られますが彼女はそこをしっかり使いこなしています。
3年生が引退した後の部長として今回の校外展の実施まで尽力してくれた一人です。

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作品の密度

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【霞】 越智 朝美
いよいよ本校美術部の初めての校外展”東彩展”が間近に迫りました。今日の放課後は部員が自宅で制作した作品を持ち寄って最後の仕上げを行って、美術室は久しぶりに賑やかになりました。額縁やキャンバスやパネルに展示用の紐を付けてという準備作業をしていると、展覧会の近さを実感します。なんだか緊張している自分がいることに気がつきましたが、部員も同じ気持ちのようでした。
さて、この作品は昨年の高文連釧根支部美術展で優秀賞を受賞し、全道大会でも全道優秀作品となったものです。彼女は一貫して動物を描いてきました。その描写は緻密で、ものすごく時間と根気を必要とするものです。どんな作品にも真摯な姿勢で筆を走らせますが、本人のストイックなまでの思いが刻み込まれているかのような取り組みです。直接、会場で是非ご覧頂ければこのことが理解して頂けると思います。足を運ぶことが出来ない方は画像をクリックし拡大して見て下さい。

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新しい教材〜絵本〜

以前から取り入れてみたい教材がこの絵本でした。1時間ずつの細切れになった美術Ⅲでは取り組みが難しいと最初は二の足を踏んでいたのですが逆にページごとに制作ができることから、思った以上に成果はあったと感じています。しかし、問題はストーリーの考案でした。さすがに物語をつくるところは美術では指導がなかなか難しい場面が多くお互いに苦労しました。しかし、困惑していた生徒から逆に提案があり歌の歌詞を使うことも認めるようにしたら、これがなかなか良いのです。

この絵本は「CLOUD」(柳瀬 幸菜)という絵本です。色鉛筆で丁寧に制作され、かなり時間もかかっています。展開が洒落ているので歌詞を使ったのかと思ったら完全なオリジナルでした。こんな感性が彼女の中に宿っていたのですね。なかなか素敵です。

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ひたむきに

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【切り絵・自画像】 
桶屋 祐二

彼は決して美術が得意な生徒ではありませんでした。しかし、この作品を見ると彼のひたむきさが伝わって来るようです。口数が少なく作品へのアドバイスをしてもなかなか反応が返ってこない印象が強かったのですがこの姿には黙々と自分の作品に取り組んでいる様子が本当に良く見て取れます。もちろんこの作品の元になった写真は彼の友人が撮影したのですが特にポーズを取ることもせず、せっせと切り絵の練習をしているのが最も彼らしいのです。この作品を見た他の生徒も「なかなか良いじゃん!」って言ってくれます。

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授業からの発展

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これは、昨年秋に行われた本校の吹奏楽部定期演奏会の為に制作されたポスターの原画です。美術部の部長をつとめた菊地亜希子が依頼を受けて描いたものです。印刷を前提としたポスター原画は、その使用できる色数(今回は1色)等に制約があって、なかなか苦労が多いもの。
しかし、彼女は授業(1/30ブログ参照)で習得した点描技法を駆使してこの作品を仕上げました。原画サイズはB3ですから、その労力と制作にかかった時間は途方もないことが容易に想像できます。それにもかかわらず依頼者の期待を裏切ることなく、いえ期待以上の出来映えのものを制作したことは本当にすごいことだと思います。この作品はポスターの他に演奏会を収録したDVDのケースにも使用され吹奏楽部員にとても好評でした。

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コラボレーション

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昨年の夏、釧路の大楽毛の海岸近くに現存するトーチカをフロッタージュ(こすりだし技法)で記録するという企画に参加した時の写真です。「岡部昌生シンクロ+シティ2005プロジェクト」と呼ばれ、釧路の他に札幌、室蘭、小樽や室蘭、根室など10都市に残る戦跡での取り組みです。
岡部さんは札幌大谷短大で教鞭を執られている方で国際的にも彼のフロッタージュ作品は高い評価を受けています。特に大がかりなプロジェクトとして注目を集めたのは多くの市民の参加との共同制作です。今回、釧路で同様の体験ができると知り勇んで参加しましたがフロッタージュによる制作以上に道東のこんな土地に第2次大戦中につくられたトーチカに触れたことの方が印象に強く残りました。大戦末期、海岸から上陸する連合軍を迎え撃つ為の施設でしたが敗戦色が濃くなったこともあり、実際に使われたらひとたまりもないつくりだったそうです。
ここに釧路町の中学や市内の高校の美術部員が参加していたのを見て本校の生徒も連れてくれば良かったと後悔しました。制作そのものはA4サイズの紙2枚へのフロッタージュでしたから短時間で終わりました。ここで制作されたものが広島に送られ展示され60年前の戦争の痕跡を共有することになったわけです。前回のブログでも共同制作の取り組みに触れましたがその意志の統一が難しいと感じましたが、このような共同制作では多くの制作者が気持ちをひとつにして取り組めることに体験を通じて驚きを覚えました。
僕は戦争の記憶が時間の経過とともに薄れて行くことに危機感を持っています。特に今の子ども達にもその記憶を受け継いでほしいと常々思ってはいるもののなかなか実践に結びつきません。今回の体験が授業のヒントになればと思っています。

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アースワーク又はサンドアート

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昨年、秋に行われた高文連釧根支部美術展研究大会の実技研修での作品です。白糠の海岸で砂や漂流物を使った造形を行いました。生徒ひとり一人が制作するものと学校ごとのグループでの共同制作を計画しましたが広大な砂浜をダイナミックに使えることから、かなり大がかりな造形も行われました。この写真では個人制作のユーモラスなものを紹介します。砂の海を泳ぐ魚なのですが、この後、傍らに子供がつくられます。その様子が本当に微笑ましく印象に残りました。(因みにこれは本校生徒の作品ではありません。)
僕自身も事前に他校の美術の先生達と制作をしてみましたが、砂遊びとアートとの間に線引きをすることは難しいと思いました。逆にアートにしようとすると色々な邪念が造形を邪魔するようでした。子供が砂遊びをするように無邪気に砂と戯れるように気持をリセットしなければと痛感した次第です。
たまには晴れた空の下で砂でアートする…凝り固まった頭ん中を解すには良いことだと思いませんか?

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