美術教育

マーク缶バッジ【マーク&ロゴタイプ】

2年次の美術Ⅱ選択者17名分のマークを缶バッジにしたものがすべて出来上がりました。人数が少ない分短時間で完成し、授業開始前に作品と共に美術室前の廊下に展示をすることができました。
授業の為に美術室にやって来た生徒たちの目に留まり「なに、これぇ〜!?」「かわいい!」との声…私も内心『やった!』と思いました。
この日の放課後に市内校の美術の先生が打ち合わせに訪れる事になったいたので皆さんにお見せしたかったこともありバッジを渡すのは来週にと了承してもらいました。
今回制作した2年次が昨年購入した絵の具セットがアクリルだったのでムラなく塗る平塗りに向いていなかったことがあり、各自のマークとロゴタイプの制作には黒のポスターカラー1色のみとし、考案したデザインそのものに注視できるように配慮したわけです。これまでは色の限定をせずに自由に色を塗っていたのですが今度の取り組みでは色指定は別にしてもらいました。その結果が見られるようにしたかったのも缶バッジ制作を思いついた理由です。
職員室で缶バッジをつくっていたので他の先生たちに関心を持って貰えたようです。廊下での作品掲示とともに実はこれは私の作戦でもあります。生徒の作品に目を向けて貰うことは生徒理解の拡大と美術という教科への理解に繋がりますからね。

Photo_2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

勝手にコラボ〜第2弾〜【マーク&ロゴタイプ】

新年度のスタートからちょうど2ヶ月が経過し、作品が完成した授業も出てきました。今回紹介するのは2年次(本校では学年を年次と呼称します)で選択する美術Ⅱの教材で「自分のマーク&ロゴタイプ」です。この展開では選択者数が17名とこぢんまりとしており生徒一人一人に目が行き届きます。
自分のマークやロゴタイプを考える根幹は「自分の特徴とはどのようなこと(もの)か?」という自分自身への問いかけです。部活動や趣向、性格や名前の特徴などあらためて自分を見つめ直すことで表現の方向が決まります。
デザインとしてのマークはその美しさや独自性、象徴性などが問われるところですが中でも製図規律では容易に描け、拡大縮小に耐えられることが求められます。そこで思いついたのがマークを缶バッジにすることでした。元々、デザインしたものを他に転用できないものかと考えていたのですがシルクスクリーンでTシャツに印刷することなどはなかなか手間とお金がかかってしまい得策ではないなと思っていました。近年、缶バッジをつくることができるおもちゃが出回っていることを知り購入。実際につくってみるととても簡単にできあがります。3㎝の直径に縮小されたマークは「縮小に耐えられるか」というデザイン要件の確認にもなります。一部の細い線などはレタッチが必要ですが基本構造はそのままです。
実は缶バッジにすることは内密にしてあります。さて、みんな喜んでくれるかしら。(因みに左下は美術部の生徒が描いてくれた似顔絵をバッジにしたものです)
Wr

| | コメント (0) | トラックバック (0)

作品展示と実技研修【EducA】

釧根管内高等学校美術教育研究会と作品展(EducA)が行われました。当番校を務めたのですが今年で13回目を数えることにあらためて歴史ができたと実感します。この研究会は設立当初から関わって来たこともあり、私にとっては年一回の開催が楽しみの一つにもなっています。

今回は釧路・根室管内の高校から7校が授業で制作された生徒作品を展示し約300点が並びその様子は壮観でした。これまでで最も多くの参加があり多くの来場者に高校での美術教育の成果を見て頂くことができたのではないかと思っています。

08educa_029_2


これまでの研究会は各校の実践報告を中心とした研究協議が中心でした。今回は他に実技研修を実施して実際に石彫を行いました。教材研究で一人で制作することはあっても美術を担当する教員がこれだけ同時に作品をつくる機会はこれまでほとんどありませんでした。抽象彫刻ということで本校の2年生で実施している「心のかたち」をテーマにしての制作です。午後1時から制作を開始し4時半くらいには掘り終わることができました。生徒が8時間程度かかるところをこの時間でほぼ終えられたのはかなりの集中力だったと思います。「まるでカニを食べているみたいに静かだ」と笑い話になるくらいの気迫でした。最後に水に浸けて表面を研ぎ出すと同時に硬化させ第一日目終了。

08educa_001

翌日の午前中に仕上げ磨きを行い完成。生徒作品と同様に作品展の会場に展示しました。江南の高橋先生が急遽こさえてくれた展示台が一層私たちの作品を立派に見せてくれました。


さて、どうでしょうか…私たちの「心のかたち」は?

08educa_163
08educa_164
08educa_165
08educa_166

| | コメント (0)

勝手に共同作業…のつもり【絵本】

今年の3年生の授業も終わり卒業制作として制作された絵本が完成しました。

今年度は授業時数のやりくりが大変で例年より少ない授業での制作でしたから最後は駆け込むように製本を行いました。でも、中には一人で2冊も制作した生徒もいて、なかなかの力作が出そろいました。

昨年度から完成した生徒の絵本に僕が帯を渡すことを思いつき実際に制作しています。帯には表紙や題名の色に合う色の紙を選び、作者の名前やキャッチコピー、内容の一節などを書き入れます。帯の材料は絵本の表紙に使った色画用紙の余りを利用するので元手は不要ですしそれまでは廃棄していた部分ですからゴミも減らせて一石二鳥です。

この帯を思いついたのは、書店に平積みされている売れ筋や売り出したい作品に店員さんが手作りのポップを付けていることから思いつきました。生徒の絵本は一人一冊ですからポップを付けてもおかしなものになります。そこで思いついたのがこれです。

帯をつくっていると、作品の内容を良く理解していないと上手く書けない事に気がつきます。中には帯を付けることで表紙のデザインを隠してしまう場合もあり、そういうときは同じ絵やロゴを帯に写して描きます。なかなか大変なことですが生徒が一生懸命つくった絵本ですからそれを引き立てられるようなものができるよう頑張るわけです。この作業を僕は勝手に「生徒とのコラボレーション」と銘打っています。

この帯…生徒の評判もまんざらじゃないようで、楽しみにしてくれているようです。作品返却は3年生の登校日までなのでもうひと頑張りです。

写真は帯が完成している絵本の一部です。(僕の机の上で撮影したので雑然としています。)

Img_0857_2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

まじめにバカバカしさを追求する【点描画】

今年度の3年生が制作した点描画です。

この点描画を制作する前の段階として下絵としてのコラージュをします。毎年、本校の図書館には定期購読の雑誌類が大量に古本として廃棄されますがこれを貰ってきて美術室に積んでおいたものから生徒が無作為に切り抜きを行います。これらを自由に組み合わせて「あり得ない光景」をつくるわけです。

「あり得ない光景」は文字通り現実には起こりえない状況を生徒は想像力を働かせて雑誌からの切り抜きを自在に組合せます。常識にとらわれると平凡で意外性に乏しいものしかできません。この教材のポイントはいかに切り抜きを組み合わせた中で遊べるかなのです。「バカバカしい」とか「気持ち悪い」とか、通常は印象の悪いことばですがこれらをキーワードとして真面目にふざけられたら面白いものができます。きっと学校教育の中ではこういった教材に目を向けてこなかったと思います。でも、他学年の生徒からは「早くやってみたい」「面白そう」という反応が出ています。こういったリアクションが起これば「つかみはOK」なのです!

072

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ただ、まっすぐに【点描画】

昨年の生徒作品からの紹介です。前回の女子生徒と同じく弓道部に所属していた女の子の作品です。

点描はただでさえ根気が必要な描法です。密度を高めようとすれば時間もそれだけかかります。この作品はその時間もさることながら、点描そのものがとてもきれいにできています。画像をクリックして拡大するとお分かりかと思いますが点描の点がきちんとした「点」になっていることがお分かりでしょうか。つまり、彼女が点を打つ時には用紙に対してペンが垂直に降ろされているということです。集中力を要する制作ですが、時に点描がいい加減になることもあります。そういう時の点描は「点」ではなくなります。言い換えますと「点」が「真円」から「楕円」や「線」になってしまうのです。

この生徒作品の評価のポイントはそれだけではもちろんありません。構成の仕方も実にしっかりしています。制作時間は授業だけでは不足し、自宅に持ち帰ることも多く、かなり頑張って制作しました。その仕上がりには心から敬意を表したいと思います。

064

| | コメント (0) | トラックバック (0)

密度と精度【点描画】

昨年卒業した生徒の作品です。この生徒の作品はとにかく点描の密度が高く、特に一見するとベタ(塗りつぶし)にも見えるところをしっかり点描で表現しています。画面構成にも動きがあり優れた作品といえます。

作者は弓道部に3年間所属していた女の子です。なぜか本校の弓道部員には美術が得意な生徒が多いのです。そんな子らと話をしてみると「美術部に入ろうか迷った」という声も多く、なにか因縁があるのかと考えてしまいます。正確な分析は不可能ですが彼女の作品は弓道で養われる力が発揮されていると感じます。集中力の高さと対象に迫ろうとする気迫は、この作品の点描密度や完成度の高さで知ることができるでしょう。

彼女は美術系大学への進学を目指して部活動との両立の中で頑張ってきた生徒です。現在は都市景観デザインなどの勉強をしています。これからの活躍が楽しみな卒業生です。

062

| | コメント (0) | トラックバック (0)

無から有への発想【点描画】

学校教育では正解を導き出すような学習活動がそのほとんどを占めているとも云えます。美術の授業でも「正確に描く」「バランス良く」という基礎的な学習は勿論ありますが、生徒個々の千差万別な発想を引き出し正解のない答を求めるような活動は他の教科ではあまり見られない創造的な特色のひとつです。

この点描画のテーマは「あり得ない光景を描く」です。当然、普段目の当たりにしているものを描くのではなく、雑誌の写真などを自由に組み合わせるコラージュという手法で自然の状態では起こりえない情景を構成したものを点描で表現します。

ここで一番のポイントはどのようにすれば想像上でしか実現しない光景をつくり出せるかという事です。「こんなこと絶対あり得ない」という場面を考えることは思った以上に難しい事でしょうが「無から有を生み出すこと」が芸術活動とするならば、この課題はうってつけの演習となりうるはずです。

071
(今年度の3年生の作品)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

3学期に向けて

私の勤務校は3学期制ですので明日から新学期となります。1年生はイラストレーション(色面分割)、2年生はポスター(私のメッセージ)、そして3年生は絵本の仕上げとなります。

3学期は入試や年度末業務があったりで授業が少なく時間を調整しながら進めて行くことになります。いつもこの時期に鑑賞の授業を入れようとしても十分に出来ずじまいになることもしばしばです。

ここ何年か時間を見つけて映画(ビデオ)を見るようにしています。鑑賞のひとつという訳ではありませんが「真珠の耳飾りの少女」というフェルメールとモデルとなった使用人の少女を描いた作品です。この映画の素晴らしいところは、その画面の色彩だと思います。フェルメールの描いた画面の空気の色とでもいうのでしょうか。とにかく全編の色彩が絵画のように私の目には映るのです。更に、17世紀オランダ美術を取り巻く情景の中にパトロンと画家の関係、絵の制作に関わる様々な描写…例えば絵の具の作り方やカメラオブスキュラを使った遠近表現へのアプローチなどは興味が尽きません。

これらを私一人で図版を使ったり黒板の前で説明してもなかなか生徒には理解しづらい事ですが映画ならすんなり受け入れてもらえることも多いと感じています。このような優れた映画がこれからもつくられることを願って止みません。


Dvd_

| | コメント (0) | トラックバック (0)

磨き出される意識【抽象彫刻〜心のかたち〜】

今年度に制作された2年生の抽象彫刻です。

これを制作した男子生徒は、普段あまり作品について多く語ることはありませんでした。制作の後半、流しで水をかけながら耐水ペーパーで表面を磨き上げるのですが、彼は他の者よりも随分と時間をかけていました。その後のピカール(金属研磨液)での仕上げも念入りに行っていた事もあり、とても美しい表面となりました。

作品のフォルムそのものは取り立てて特徴があるわけではありませんでした。おそらく明確な「心のかたち」を見つけ出せないままに造形をしてきたのだと思います。しかし、表面を磨き出す行程で彼の中にある「心のかたち」が意識されてきたのではないでしょうか。

「先生、ほら、ピカピカでしょ!」と仕上げを終えて誇らしげな彼の言葉にそれを感じました。

(作品画像は僕の撮影アングルが悪く、残念ながらその魅力を十分に伝えることはできません。泣)

Img_0733

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

my Gallery | 美術教育 | 美術部